お湯の水割り

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【LIAR GAME ー再生ー】を観たぞ

あらすじ

卒業式を終えたばかりの女子大生・篠宮優のもとに、1通の招待状と現金1億円が届いた。 その招待状に書かれていた文字は【ライアーゲームのご案内】。

極限の心理状態に置かれた優。 彼女が助けを求めたのは、何度か講義を受けたことがあるだけで、顔と名前くらいしか知らない、帝都大学の心理学の教授。 その名は、秋山深一。

今回のゲームは、総額20億円を賭けて、プレイヤー20名が争う、究極の“イス取りゲーム”。 秋山潰しを目論む、新たなプレイヤー、新たな事務局員。 そして、すべてを陰で操る黒幕―― 騙し合うのか!? それとも助け合うのか!? 極限の心理戦がいま始まる!! (公式サイトより抜粋)

 

 

感想

この映画が発表された当時、観に行こうと思って結局観に行かなくて、後日感想サイトで

きわめて面白くないとの酷評を見かけたことがあったので、不安な気持ちで視聴することになった。

 

ストーリーはあらすじに書いた通り。

実施されるゲームは椅子取りゲームで、原作は知らないが結構人気のパートらしい。

限られた数の「イス」を奪い合って、最後まで座り続けられるようにもくろむゲーム。

 

イスは連続では座れないので複数のイスを確保しないといけないこと、

毎ゲーム後に実施される「投票」で特定の番号の椅子を除去する必要があることなど、

 いつものライアーゲームの駆け引きが馴染むものだな~と思って観てました。

 

今ゼブラックで一話ずつ読んでるんだけど、ライアーゲームの場合って

「優勝者の賞金を分配するので味方になってね」の展開が結構多くて

今そんな元手が無くても契約さえとってしまえば最終的にそれが果たされる、みたいなやり取りが多いように感じる。

 

実際に「椅子取りゲーム」もその通りで、

優勝者に賞金が支払われるのではなく

「優勝者の名前が入ったメダルと賞金を引き換える」という作りになっているのが

如何にもこれで駆け引きしてね、って言っているようだった。

 

今回の展開で個人的に面白いと思っていることは

脱落したら減っていくのではなく脱落者も投票には参加できるため、

むしろその得票をいかに支配するかが重要、みたいな作りになっているところ。

如何にもな「陣営拡張ゲーム」で原作で人気があるといわれてるのもわかるな~と思う。

映画だと時間と展開に限りがあるのでまとまっているのかもしれないが、

原作だともっと面白い感じになっているんじゃないのかなと思ったな。

どこらへんか知らないが早く読みたいものだ。

 

 

今作の特徴はドラマ版とキャストがごっそり変わっている点が結構思い切ってるなと思っている。

キャラクターは20人居るけどドラマ、映画版と同じ人もいて、

キーパーソンは多分新規の人。

ライバル勢力のボスは何というかいかにもなビジュアルのキャラクターの皆さんで、

ここに関しては特に違和感はなかったかなって感じがある。

めちゃくちゃ ??? ってなったのはやっぱり主人公サイドのシノミヤユウちゃんだと思う。

 

この子はライアーゲーム初めて参加みたいなんだけど、

いわゆる普通のキャラクターとして位置づけされていて、

シンプルにイスを探したり、取り合いに騙されたり、不安になったりと

普通の女子大生って感じのデザインだった。

カンザキナオちゃんは「バカ正直」って言われるくらいだけど

要所要所でその素直さと正直さで打開してきたシーンもあったりして

それはそれで特殊なキャラクターって感じだった気がする。

ダンガンロンパで言う苗木君みたいな「特殊な普通」を持ってるタイプ。

 

でもユウちゃんは等身大なシーンが多くて面白かった。

アキヤマが作戦を裏で進行する中、それを信じ切れずに時間が無くなって焦っちゃったりするところとか、

そのせいでチームに大きな負担を与えてしまうところとか、

誰かを切ることになって「あの人の椅子だと知っていれば!」と突っかかるものの

「知っていたら譲ったのか?」と言われて口ごもるところとか、

人らしいサイズ感で収まっていたような気がする。

 

まあ、これは今見返して振り返ってみて思ったことなんだけど、

実際に映画を見ている間はとにかくいや~な展開のかなめにこの子が機能していて、

視聴しているときにすごく「なんだコイツ…」と思ってしまったんだよなあ。

 

多分映画やドラマや原作でアキヤマの活躍を観てきた我々視聴者からすれば、

アキヤマはやってくれるし頼れるし、

アキヤマを理解しているサイドで見ているので、

それを信じ切れなかったり、先に行動してしまうあたりに強く違和感を覚えてしまうからなんだろうな。

ナオちゃんではこの動きはできなかったので仕方ないのかもしれないけど、

その結果として「ひどい出来だ」という評価になってしまうのは何というか仕方ないのかもしれないな……。

まあ実際ユウちゃん目線からすれば当たり前というかそうなっても仕方ないと思う。

 

映画の作り上、誰を主人公としてみればいいのか、

つまり視聴者が誰目線で話を追いかければいいのかがわかりにくくなっちゃってたからこそ、

展開として視聴者とユウちゃんの間に違和感があったんじゃなかろうか。

ドラマや漫画はナオちゃんを追いかけて進んでいく展開が主だったので、

視聴者もそういう気持ちで追いかけることができたけど、

今作はユウちゃんがそういうポジションだと思って観始めてしまったので

いざユウちゃんが仕掛けてしまったときに

「なんで主人公なのに知らないところでそんな色々しちゃってるの?!」

っていう気持ちになってしまって、ずれが発生したんだろうなあ。

キャラクターとしては面白いんだけど、展開のために動いてないか?という感じがしてしまったので。

つまるところ、視聴者がキャラクターを理解する時間が少なくなってしまったことが

こういう印象に繋がったんじゃないのかなと思う。

 

まとめ

総評:まあまあ普通

 

キャラクターそれぞれが成立していて、ユウちゃんのデザインも良く出来ているなと思ったけど、

その動き当たりの展開はまあ、うーんって気持ちになってしまうな。

ゲームとその展開自体はなんというかドラマや映画を見たことがある身からすれば

滅茶苦茶面白い展開というわけでもないんだけど、

でも逆転までの組み立てとか賞金を介したやり取りとかは安定していたな~。

なので言うほどめちゃくちゃひどい映画というわけでもないと思った。