お湯の水割り

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【クロール ー凶暴領域ー】を観たぞ

あらすじ

競泳選手の大学生ヘイリーは、巨大ハリケーンが迫っている最中、父と連絡が取れないとの連絡を受ける。父を案じてフロリダの実家に戻ると、地下で大けがを負い気絶していた父を発見する。しかしそのとき、突如何者かによって地下室の奥に引きずり込まれ、右足を負傷してしまう。へイリーが闇に目を凝らすと、そこはどう猛なワニたちに支配されていた。

 

 

感想

いわゆる「アニマルパニックもの」のスリラー作品。

巨大なハリケーンが迫っており避難勧告が流れるなか、対象地域であるはずの父と連絡がとれないと姉から連絡を受けるへイリー。

きっと眠っているのだ、きっと避難している、

そうは言うものの父の性格を考えるとまだ家にいる可能性があると考えたへイリーは、

ハリケーンの真っ只中に向かって父の様子を見に行くことに。

フロリダの実家にたどり着き、地下室にいた父を発見すると、瞬間足を噛みつかれて引きずり込まれてしまう。

 

スリラー作品においては「おそろしいもの」と「そこから逃げ出す必然性」があることが必要だと思う。

本作の「おそろしいもの」は「ワニ」である。

ハリケーンによって川が反乱し浸水した地下室へワニ達が侵食してきた、というものだ。

まず描写の点から言うと、ワニのワニらしさがいい感じに描いていると思った。

わかりやすい「牙と顎」というシンボルに、ゆっくりと動いて獲物を探し、見つけたら素早く襲いかかる様が、

シンプルに生命の危機を感じさせるものだった。

これもたぶんCGなんだろうけど、それを感じさせないくらいリアルな動き、

振る舞いをさせているので、より生々しい恐ろしさを表現していたと思う。

個人的には獲物を補職したあとちゃんとローリングしてるところとかテンション上がったな~。

 

また、地下室からの脱出、洪水による浸水と、違和感のない環境設定もよく機能していたと思う。

水が迫ってくるから待つことができず、

水が広がっているから逃げづらく、

飛沫を立てれば気づかれるから急ぐことができず、

そこにワニがいるもんだから自然とパニックに没入しやすい構造になっていると感じた。

そこに「必然性」があって、

いわゆるB級パニックホラーみたいなツッコミどころを感じさせない展開がとてもよかったと思う。

また本編自体が87分しかないので、テンポもよかったように思う。

単純に撃退するんじゃなくて、最後まで逃げきれればオッケーだというところとか、

変なオチ(最後の最後で助けに来た人が食われるとか)そういうのがなかったのも好感が持てる。

 

こういうアニマルパニックものに関してよく思うのは、

主人公がタフすぎることだと思っていて、本作もそれには漏れていなかった。

ワニに腕やら足やらを噛まれていてもバッチリ泳げているところとか、

しっかり力はいってるところとか、

いまにして思えば「つよ~~」って感じだった。

みている最中はツッコミしてるほど冷えてはなかったので、気にならないけれど。

あと全体的にお父さんのアイデア裏目裏目になっているのがちょっと面白かった。

排水溝のところに裏口がある!って言ってもいけなかったり、

地上に上がる出入り口になにかがおいてあって開かなかったり、

ボートまで泳ぐんだ!とかいってたり。

でも要所要所でやっぱりワニがやってくるので、

それらがことごとく阻まれてしまうんだよな。

ボートの下りは堤防決壊が理由だけど。

 

地下室から地上に登っても一階が浸水したのでワニはやってきて、

少しだけワニとの格闘戦が続く。

入ってきた2頭のワニのうち片方をトイレに閉じ込めて、

もう片方は発煙筒で撃退して、やっと屋根の上に逃げ出してフィニッシュ。

最初からなんで上だけを目指さなかったの?ってのは今これを書いてて思ったけど。

 

 

 

まとめ

見終わって整理してるとちょっと気になる要素は多いんだけど、

観ている間はそんなこと気にならないくらいでいられる、

しっかり作られているアニマルスリラーだったと思います。

比較的短めでわかりやすいパニックを感じられるのでおもしろい。

 

ちなみに英語で「這いつくばって通らないといけないくらいの空間」とかのことを「クロール・スペース」って言うんですって。

それとかけて「クロール」だったのかな。