お湯の水割り

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『2.5次元の誘惑』が面白い

2.5次元の誘惑(リリサ)が面白い。

 

これ、今ジャンププラス連載作品の中で最も正統派なジャンプ漫画をしていると思っている。

古き良き「スポ根漫画」のエッセンスを外しておらず、可愛さとアツさを正当に両立している作品だと思っている。

巷では「熱血青春コスプレ漫画」とも評されているが全くその通り。

本編の勢いもいいし、プラス内でも比較的推されている方だと思うので、近いうちにアニメ化されてもおかしくないんじゃないのかなって思っている。

 

 

2.5次元の誘惑とは

2019年6月からジャンププラスで連載が始まった「コスプレ」をテーマに扱うラブコメ漫画。

漫研部の唯一の部員になった奥村君のもとに、新入生の天野リリサが入部、彼女はコスプレ撮影が趣味で、二人で撮影を始めることになる、というお話。

連載開始時点の話を読んでみると、いかにもなジャンプのお色気ラブコメのフォーマットを持ってて、実際にそうだった。

絵もきれいだし小ボケもくどくないしとても好きな漫画になっている。

7月頭に10巻が出たところ。おまけ漫画も豊富でとても読みやすいのでお勧めです。

 

2.5次元の誘惑の何が面白いのか

開始当初の1話完結ラブコメエロコメ路線も悪くはなかったんだけど、いわゆるコスプレイベント初参加編を通じて作品の印象が大きく変わる。

詳細は省くが、コスプレイベントに参加するストーリーを通じ、リリサの中に「コスプレをすることと向き合う」という価値観が大きくなっていく。

そのストーリー以降はいわゆる安直なエロコメ路線ではなく、コスプレを人に見せることの意味、とかコスプレを何のためにするか、とかに向き合うリリサや奥村くんの精神的な変化が物語の中心になる。

キャラクターが好き!アニメが好き!の気持ちから始まったコスプレのことを真剣に考えて向き合う仲間たちの姿勢を見ていると、まるでなにかそういう競技を見ているような気持ちでアツくなれる、そういう漫画へと変貌した感じがある。

 

やはり我々もオタクだからなのか?

この作品を読んでいてすごく「馴染む」というか、共感したり応援したくなるのは、やはり我々がオタクだからな気がしている。

今の時代、コスプレをビジネスとして取り組む人もいるし、有名になりたい人、一緒にやりたい人、いろんな理由で取り組む人がいる。

それらに面したリリサは何をしたくてコスプレをするのか悩むシーンがある。

その時点でコスプレを「表現の方法」として落とし込んでいて、同じフォーマットは例えば芸術やスポーツでもまんま当てはまる話だと思う。

そしてコスプレという「表現の世界」で生きているからこそ、他人の好きなものを肯定すること、否定しないことがとても大きな意味になるし、何にもとらわれない自己表現として気持ちを表現することができる。

そういう、一般的には趣味でしかない、無くたっていい、ただ好きなものに対して、真正面から「それを好きでいいんだよ」とか「それが一番だろう」と肯定してくれるのが、オタクに刺さるんじゃないだろうか。

近年はサブカルチャーがぜんぜんサブじゃないくらいに世の中のストリームの一つであると思う。

それはそれだけ流行りやウケがたくさんあって移り変わるということであって、一方ではついていけなくなったな、とか流行りだから追わなくちゃ、とか、好きなものだけを追っていられない状況が増えたことも意味している気がする。

だからこそ「自分が好きなものを全力で好きだと言う」その姿勢が居心地よくて、読んでて馴染むんだろうなあと思っている。

その「好き」を表現する方法も人それぞれで、それをどう評価するかも人それぞれ。

それらひとりひとりの「好き」とか「こうしたい」にド正面から向き合っているから、これだけ熱血なコスプレ漫画になったのだろう。

 

 

まとめ(?)

とにかく面白いので読んでほしい。

ただコスプレしてカワイイ~だけじゃなくて、コスプレをする人の価値観、それを見る人への見解、そういうのも踏まえていて、嫌みなく読める漫画なので。

分かりやすい嫌なキャラも居ないのでストレスなく読めるし、小ネタも充実していて楽しいです。

僕は一番推しています。